AGA治療の新薬「デュタステリド」と男性型脱毛症診療ガイドラインで推奨度Aとされる「フィナステリド」の違いとは

男性に多く見られる頭髪の症状として、男性型脱毛症があまりにも有名ですが、この症状はAGAの名前でも有名なものです。日常生活で改善できる場合があるものの、進行性の薄毛の症状であることから、できるなら病院で治療を行うのがおすすめです。その際に使われる治療薬として、ザガーロというものが最近になって登場していますが、従来の治療薬との違いが見られるのが特徴です。従来のAGAに対する治療薬としてすすめられてきたのが、男性型脱毛症ガイドラインで高評価を獲得している、フィナステリドという成分です。男性型脱毛症ガイドラインでは、Aランク~Dランクまでの評価が公表されており、Aランクが最も有効性が認められており、安全性が高いものとして推奨されているものになります。フィナステリドがこのAランクに該当していることから、多くの男性向けの薄毛治療の現場で標準的に取り扱われています。この成分には薄毛の原因となる、5α-還元酵素を阻害する働きが認められており、この還元酵素と結びつくことで毛が成長せずに抜け落ちる状態を作り出す、悪玉男性ホルモンのDHTの発生を同時に抑えることができ、結果的に症状の進行を遅らせたり、抑えたり出来るようになるのが優れた部分です。

一方のザガーロですが、これは治療薬の名称であり、有効成分としてデュタステリドが使われているのが特徴で、国外の一部の地域ではすでに薄毛治療に使われていた成分ではあったものの、日本国内においては2015年9月にようやく承認を得られたもので、実際に販売が開始されたのが2016年6月です。デュタステリドもフィナステリドと同じように、悪玉男性ホルモンのDHTの発生を抑えることで治療効果を発揮してくれるものですが、Ⅰ型Ⅱ型という2種類の5α-還元酵素を阻害する働きに違いが見られます。

同じ5α還元酵素阻害薬には先行薬であるフィナステリドがあります。AGAに対する作用機序は似ていますが、フィナステリドが「II型」の5αリダクターゼのみに作用することに対して、デュタステリドはどちらにも作用することがわかっているため、フィナステリド以上の効果を期待することができます。

デュタステリドの効果および副作用について

従来使われていた成分では1種類の還元酵素しか阻害できなかったため、高い改善効果があらわれるものの、効き目が弱かったり、全く効果が得られない人も中には存在しました。デュタステリドはより多くの男性型脱毛症の原因を抑えられることから、今まで効果が実感できなかった人に対しても効き目が期待できるようになったり、薄毛の進行を抑えたり遅らせるだけの効果に留まらず、発毛効果を期待できるという優れた機能を持っているのが特徴です。しかし現在のところ、デュタステリドは男性型脱毛症ガイドラインで評価がされておらず、人によっては不安に感じられることもあるでしょうが、男性型脱毛症ガイドラインはザガーロが承認されるより前の古い資料が公開されていることから、あまり心配するような問題ではありません。厚生労働省から認められた治療薬であり、フィナステリドと同等の効果と安全性、もしくはそれ以上の力を持っているため、Aランクと同じ水準にあると判断しても問題はありません。処方を開始している病院が増えてきていますので、AGAの症状があまりにも辛かったり、今のうちに食い止めておきたいなら、まずは来院して診断を受けてみることをおすすめします。

ザガーロに含まれるデュタステリドには、Ⅰ型Ⅱ型の2種類の5α-還元酵素を抑える効果がありながら、従来の治療薬と同じように利用できるのが大変便利で、ぜひとも使っていきたいものです。一方で、副作用に関しても同様のものが存在しますから、取り扱いには注意してください。未成年や女性では使えない治療薬です。特に妊娠の可能性がある女性、妊娠中や授乳中の女性が使うと胎児の生殖機能に異常があらわれるリスクがあるため、絶対に使用してはなりません。割れた錠剤に触れるのも危険だとされています。とはいえ、正しく使えばあまり副作用を気にすること無く使えるものですので、安心しましょう。