推奨度C2とされるセファランチン外用とは

世の中には薄毛症状で悩んでいる人が数多く存在しており、とりわけ男性の中には発症率が高く、その原因となるものにも様々なことが考えられます。例えばストレスや睡眠不足、食生活などの生活習慣からくるものもありますし、また一方では何らかの内的疾患が原因となっているケースもあり、さらに最近特に注目を集めているのが男性型脱毛症の頭文字を取ったAGAという病気で、これは男性ホルモンが過剰に働くことで頭髪の成長を妨げる物質が大量に分泌されて、抜け毛や薄毛を助長していくといった結果を引き起こすものです。これを治療するにあたっては頭髪の発毛や育毛を妨げる物質の分泌を抑え、頭皮の血行を改善していく必要性があります。

 

 

これらのAGAの治療法としては、まず日本皮膚科学会が2010年に有効な知識を定めた男性型脱毛症診療ガイドラインの中に患者がまず基礎知識として把握しておくべき事柄が記載されてあるので、治療の際にも参考になって大変便利です。おおよその治療法としてはミノキシジルやプロペシアといった錠剤を服用することで、ミノキシジルは頭皮の毛細血管の血流を改善して頭皮の成長に欠かすことの出来ない栄養分をよりよく運搬するのを促し、なおかつプロペシアは男性ホルモンの過剰な働きを抑えて、頭髪の成長を阻害する物質が出るのを極力抑えます。

 

 

しかしながら、AGA治療薬としてはこれらのプロペシアやミノキシジルの他にも様々な種類のものが存在しています。たとえばセファランチン外用とは、ツヅラフジ科に属するタマサキツヅラフジの根っこの部分から抽出したアルカロイドという有効成分を含んだ医薬品であり、血流促進や免疫機能増強、造血機能改善、そして抗アレルギー作用などがあると言われており、主に円形脱毛症や白血球減少症などの治療において効果のあるものとして成人男性だと一日に一錠から二錠程度の服用が指導されています。

 

 

こと毛髪に関することで言うならば、これを服用することによって末梢血管が拡張され、毛母細胞が必要とする栄養分が血液を通じて十分に補われるのを手助けするという仕組みを持っており、こうして血行を改善して毛根に栄養分を行き渡らせることで円形脱毛症のみならず、薄毛を生み出す構造の改善にも効果があるとして見られているのです。

 

 

ただし、肝心の男性型脱毛症ガイドラインにおいてこのセファランチン外用とは推奨度C2という評価を下されており、これは「根拠がないので勧められない」という主旨を示しているものです。臨床試験によるデータによって効果ありと判断するに足る根拠が十分に集まっていないことが原因とされており、はたしてこの薬品が男性型脱毛症に本当に効くものなのか、あるいは円形脱毛症のみにしか効果をもたらすことのないものであるのかは、今後の医学が導く出す答えを待つ必要がありそうです。

 

 

とりわけ注意しておかなければならないのは副作用についてであり、安全性の高さは認められながらも、胃に不快感を持ったり、食欲が乏しくなったり、それがひどくなると吐き気をもよおしたりするケースもあり、さらに女性などでも妊娠中や乳児への授乳中であれば医師への相談が必要な薬品となっています。ちなみにこのセファランチン外用は個人輸入などは一切できず、医師の診断にもとづいて処方される医薬品となっているので取り扱いや処方された際にもきちんと用法を守って服用する必要があります。

 

 

ともあれ、まずは専門の医師による詳しい触診や問診、カウンセリングを受けた上で、プロペシアやミノキシジルを始めとする推奨された医薬品を試した上で、それでも発毛や育毛が認められないケースにおいてあくまで医師との合意の上で使用してみることが望ましいでしょう。