最近よくAGAという言葉を耳にしますが、それは男性型脱毛症のことです。毛には成長期、退行期、休止期というサイクルがあり、毛母細胞が分裂を始め毛根から生えてきた毛はどんどん成長を続けやがて退行期を迎えて休止期に入るのですが、一本の毛が成長し始めてから抜け落ちるまで通常は4年から6年くらいの期間を要し、成長期が長いほど髪の毛は長く太く成長していきます。ところが薄毛や抜け毛で悩むころは、毛の成長期が短くて十分成長することなく細くて短いうちに抜け落ちてしまうので、短くて細い毛が増えてきたら薄毛になりかけてきているという可能性が高くなってくるのです。薄毛や抜け毛は加齢、生活習慣の乱れやストレス、ヘアケア不足などが考えられますが、男性型脱毛症の多くが男性ホルモンの関係で毛のサイクルが乱れて来て薄毛や抜け毛になってくるものが男性型脱毛症ということです。
男性ホルモンのテストステロンはひげや筋肉、生殖器の成長に欠かせないホルモンなのですが、前頭部や頭頂部には、5aリダクターゼという酵素があり、それがジヒドロテストステロンというホルモンに変えてしまい、そんホルモンが毛髪の働きを抑制するために毛が成長しなくなるという仕組みになっているのです。生え際から薄毛が進行して来る、頭頂部が薄くなってくる、シャンプーやブラッシングで抜け毛が目立つようになってくる、抜け毛の中には細くて短い毛が3割以上混ざってくるなどの状態になってくると、それは男性型脱毛症の可能性があるのですが、男性型脱毛症は病院で治療をしてもらうことができるのでい一度専門の病院に行ってみるとよいでしょう。男性型脱毛症の状態は人それぞれで治療方法も個々によって違って来るので治療法はたくさんあります。たとえば有効成分が血管を拡張させて血行が促進され毛髪の成長を促進するために発毛効果があるといわれる「ミノキシジル外用薬」を用いた治療法、抗アレルギー作用がありアレルギーやストレスなどが原因で発症することが多い円形脱毛症の治療に用いられる「セファランチン外用薬」という医薬品での治療法、男性脱毛症の主な原因となるテストステロンというう男性ホルモンを発毛を抑制するジヒドロテストステロンというホルモンに変化させる5aリダクターゼの働きを抑制する効果がある「フィナステリド内服薬」を用いる治療法などたくさんあるのですが、植毛をするという方法もあります。
これらのたくさんある治療法の中から自分に合った治療法を見つけることはなかなか難しく迷ってしまうこともあるのですが、「推奨できる」「あまり推奨できない」などと推奨度別に区分されている男性型脱毛症診療ガイドラインというものが日本皮膚科学会から打ち出されました。A、B、C1、C2、DというランクがありAランクが一番推奨度が高くなっていて、ミノキシジル外用薬とフィナステリド内服薬はAランクに分類され強く行うように勧めることができると推奨されています。次に推奨度が高いのは植毛で人工毛はDランクですが、自毛植毛はBランクに分類されています。
自毛植毛とは自分の後頭部から側頭部にかけての髪の毛を薄毛が気になる部分に移植をするという方法です。後頭部から側頭部は男性ホルモンの影響を受けにくいので薄毛になりにくく、正常な毛サイクルの状態の健康な毛が生えているので、その健康な毛髪組織をそのままの構造で薄毛の部分に移植することで男性ホルモンの影響を受けることなく後頭部と同じ毛が生えてくるのです。自分の毛髪組織を移植することで、体質や移植範囲によって個人差はありますが副作用の心配は少なく定着率も高くなります。
このようなことから推奨されている自毛植毛なのです。